外壁工事をするなら一度は耳にしたことがあるかも?シーリングについて徹底解説!
2023.03.07 (Tue) 更新
みなさんこんにちは!
本日のテーマは【シーリング工事】についてです!
目次
シーリングとは?
シーリングとは、サイディングボードやALCパネルのように複数のボードやパネルを張り付けて施工するタイプの外壁材で
目地と言われる、そのサイディング壁同士との境目にある継ぎ目を埋めるために、シーリング材という液体を入れるものです。
目地以外にもサッシ周りや窓枠、配管周りなどで使われることもあります。
また、シーリングと似た「コーキング」という言葉がありますが、呼び方が違うだけで大きな違いはなく、同じものとして扱われています。
シーリング材の種類
シーリング材には複数の種類があります。
1.シリコン系
ホームセンター等でも売っている一般的なコーキング材で、比較的価格が安いことからコストパフォーマンスが良いことが特徴です。
シリコンオイルが常時出続けるため上から塗装はできませんが、耐水性に優れていて水まわりのコーキング材として最も普及しています。
2.変成シリコン系
上に塗料や防水材を塗れるのが最大の特徴で、硬化後に塗装が可能なので外壁にも使用できます。
シリコン系同様に耐候性にも優れており、比較的どこにでも使用可能です。
3.ウレタン系
耐久性が非常に高いのが特徴で、弾力性があり密着性が高いため、ひび割れや目地の補修によく使用されます。
しかし紫外線に弱くホコリが吸着しやすいため、屋外で使用する場合は塗装での保護が必須となります。
4.アクリル系
価格は安いですが、硬化後に肉やせが起こる性質があり、ウレタンやシリコンと比較して耐候性・耐久性が低いデメリットがあります。
耐久性が低いとメンテナンスの頻度が高くなるため、リフォーム工事ではあまり使われませんが、劣化要因が少ない内装工事では、色の幅広さを活かして使用されることがあります。
5.ポリサルファイド系
表面にゴミが付きにくいという特性があります。柔軟性があまりないため、動きが大きい部材には適していません。
上に塗料を塗ると変色したり軟化してしまう恐れがあるため、汚染防止処理を行う必要があります。
オススメはノンブリードタイプ
塗装工事で使用するのには「ウレタン」もしくは「変性シリコンコーキング」が一般的ですが、その中でもノンブリードタイプのシーリングがお勧めです。
シーリングの際には、シーリング材に含まれる可塑剤というシーリングを柔らかくする為のものが充填後に浮き出てきます。
その上に塗料を被せると可塑剤が塗料に染み出てきて、そこに汚れが付着して浸食していくと黒ずんできます。
この現象を『ブリード』と呼び、ノンブリードとは、そういった現象が起こりにくいタイプのシーリング材のことです。
シャインではシーリング材の相性を実験しています
近年主流である変成シリコンのシーリング材は各メーカーでいくつかの種類が出ており、間違った種類のシーリング材を使用して塗装してしまうと黒ずみや塗装の剥がれの原因になってしまいます。
意外とこの事を知らない業者がいますので、必ず確認するようにしてください…!
では不具合を防止するためにはどうしたらいいのか…?
黒ずみへの対策はノンブリードタイプを使用すれば問題ありませんが、塗装の剥がれに関してはそれぞれ相性があるので実際に試してみるしかありません。
シャインでは使用する塗料とコーキング材の相性をすべて実験しており、適合性の良い物しか使用しません。
ご提案の時にはそのパネルをお見せしておりますので、ご安心ください!
シーリングをする理由
サイディング壁やパネルの隙間を埋める
先述しましたように、シーリングは目地というサイディングボードやパネルの隙間を埋めるために使われます。
目地の隙間をそのままにしておくと、そこから水が入り込んで雨漏りや内部の構造体の腐食に繋がってしまいます。
サイディング壁は、実は水を吸収しやすい建材です。※サイディング壁の内側には防水紙があるので、すぐに雨漏りをするという事はございません。
サイディング壁の表面は塗装する事によって保護が出来ますが、サイディング壁の断面は非常に無防備な状態です。
その為、サイディング壁同士のつなぎ目にシーリング(コーキング)を充填する事により雨水の侵入を防いでいるのです。
ひび割れ防止
外壁は、日常の軽微な揺れや地震などの大きな揺れ、また温度変化などで日々膨張と収縮を繰り返しています。
サイディングボードは堅く薄いため、揺れや気温変化で衝突したり引っ張り合って負荷がかかると、ひび割れや破損を起こす可能性があります。
シーリングは樹脂製で弾力があるので、外壁材の間に充填することでボードの代わりに膨張や収縮の動きに追従し、クッション代わりになってくれます。
この効果によって衝突によるひび割れを防止し、外壁材を長持ちさせることができます。
雨漏りへの応急処置
雨漏りが起きた際に劣化箇所をシーリング材で埋めて応急処置することが可能です。
よくある劣化症状として、屋根の穴あきや外壁のひび割れ、サッシ周りのシーリングの破損 などがあります。
雨漏りで水分が建物の中に侵入すると、建物の構造体に腐食などの影響を与えて家自体の寿命を短くする恐れがあるため、早急に対策をすることが大切です。
こんな症状が出たら要注意!シーリングに起こる劣化パターン
肉痩せ
肉瘦せというのは、年数の経過によって厚みが薄くなり、表面から見た時に隙間ができてしまう現象のことです。
まだあまり年数が経っていないうちにこのような症状が出る場合は、最初からしっかり充填されていなかった可能性もあります。
剥離
ボードやパネルとシーリングの間に剥がれたような隙間ができてしまう現象で、
放置しておくとここから雨水が侵入したり、外壁材の割れ・反りなどの原因になってしまうこともあります。
ひび割れ
日常の揺れや経年劣化などが原因でシーリングの表面に細かいひび割れが起こってしまう現象です。
シーリングの寿命は短い
シーリングは膨張・収縮を繰り返しているため劣化しやすく、寿命は5〜10年程度です。
大抵は外壁材よりも早く劣化が進んでしまうので、定期的に状態を確認しながら、外壁塗装よりも早めの期間で補修を行うことを意識した方が良いでしょう。
近年では外壁材の長寿命化に伴い、20~30年耐久の「高耐久シーリング」も各社販売される様になりましたが、
中には、実際に20年も持たない「高耐候シーリング」も出回っておりますので、注意が必要になります。
シーリングの補修方法
打ち替え
既存のシーリングを撤去し、新しいシーリング材を充填する手法です。
古いシーリングを切り取る作業が必要なので手間や費用はかかりますが、傷んだ箇所をしっかりと取り除けるため、シーリングを長持ちさせたい場合は打ち替えがオススメです。
増し打ち
既存のシーリングを撤去せず、その上から新しいシーリング材を重ねて充填する手法です。
打ち替えよりも手軽且つ費用も安く済みますが、既存のシーリングの状態が悪い場合は新しいシーリング部分だけが剥がれてきてしまうというリスクがあります。
施工手順
1.既存シーリングの撤去
※増し打ちの場合、この工程は省きます。
2.プライマーの塗布
プライマーとは、シーリング材の接着性を向上させる言わば下塗材です。
このあとに新たなシーリング材を入れていくのですが、プライマーが完全に乾燥していないと密着力不足でシーリングが剥がれてしまいます。
しかし、逆に長時間放置しても、表面にゴミや油分が付着し接着不良を起こすので、タイミングはよく見極めてから打ち込むことが大切になります。
3.新たなシーリングの充填
4.綺麗に均して完成
まとめ
外壁塗装を検討している際にシーリングという言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
シーリングは外壁材の防水性や耐久性を維持するために重要な役割を果たしています。もし劣化の症状が見られたら、できるだけ早めに対策をしましょう。
そしてシャインではシーリング材の相性実験を行い、適合性の良い物だけを使用しています。
豊富な経験や知識の元、必ず有益な情報をお伝えいたしますので、お気軽にお問い合わせください!