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屋根からバタバタと音がする…!実は屋根材よりも注意しなくてはならない【棟板金】について徹底解説

2025.02.22 (Sat) 更新

みなさんこんにちは!

流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店のシャインです!

最近寒すぎませんか…?!?! 2月も折り返し…というところで突然北風が本気を出してきてしんどいです…

風さえなければお天気も良くて散歩日和なんですが…しばらくはまだ家の方が居心地がよさそうです(^-^)

さて、本日のテーマは【棟板金についてです!

強風で屋根からバタバタと音がする…それってもしかして「棟板金」かも?

最近、連日強風が続いています。冬の終わりから春にかけての今の時期は日差しが強まることで空気の対流が活発になるため一年で最も風が強い時期であり、「春一番」と呼ばれる突風が吹くのもこの時期です。

そんなこの時期に我々外装リフォーム業者が最も多く受ける問い合わせ内容というのはもちろん、「屋根が剥がれそう・飛びそう」または「屋根が飛んでしまった」という内容です。

この間の強風の後からなんだか家の屋根の方からバタバタと嫌な音がする…もしかして屋根が外れそうになっているんじゃ…?そんな不安を抱えたお客様からたくさんのお問い合わせを頂きます。

しかし、皆さんが屋根だと思っている”それ”、実は屋根では無いかもしれません。

厳密に言えば屋根を構成する部材の一部ではあるのですが、スレートや瓦のような屋根材ではありません。”それ”は屋根材よりも寿命が短いためスレートや瓦が飛ばされる前にその部材が飛ばされる危険性の方が高く、より注意しなくてはなりません。

その部材こそが、屋根のリフォームを検討されている皆さんが一度は聞いたことがあるかもしれない【棟板金(むねばんきん)】です。

棟板金のメンテナンスを怠っていると後々取り返しのつかない事故を起こしてしまうおそれがあるだけでなく、屋根材自体の雨漏りや劣化を引き起こす原因にもなります。

棟板金について知っておくことは、屋根だけでなく家自体を守るためにもとても重要なことなのです。

今回は、そんな【棟板金】について徹底解説をしていきます。

棟板金とは

棟板金は屋根の最も高い位置に取り付ける屋根部材です。

ほとんどが金属製であるため棟「板金」と呼ばれていますが、屋根材がの場合は「棟瓦(むねがわら)」とも呼ばれます。

断面が少し特殊な”への字型”をしており、接合部分に2本設置してある下地材を覆うようにパカっと被せて、下地材と一緒に横から釘やビスで固定します。

棟板金の主な役割は【屋根の防水】です。

屋根の頂上の面と面の接合部分に棟板金を取り付けることで隙間からの雨水の浸入を防ぎ、風雨の影響を受けやすく雨漏りリスクが高い屋根の頂点部分を保護します。

その他にも棟板金を付けることで見た目のデザイン性が上がる なども挙げられますが、やはり一番は防水機能の向上です。

棟板金は屋根材よりも寿命が早い

棟板金が屋根材よりも強風や台風の影響を受けやすいのは、棟板金に「不具合が起こりやすい要素」が揃っているからです。

その要素とは、「釘」「下地材」の2つです。

現在、新築住宅における棟板金の設置の際に使用されている釘はほとんどが「鉄釘」、下地材はほとんどが「杉板(木材)」ですが、鉄釘は錆びやすく、木材の下地材は水分や湿気に弱いため腐食しやすい、というデメリットがあります。

棟板金の劣化の原因には大体この二つが絡んでいることが多く、鉄釘と木材下地の耐久性の低さが棟板金自体の寿命に大きく関係していると考えられます。

しかし近年では下地材や釘などの改良が進み、釘の主流はステンレス釘、下地材は木材ではなく樹脂製やガルバリウム鋼板製などに変化しており、屋根リフォームの際にはこれらを採用する業者が増えてきています。

では、この2つの要素がどのようにして棟板金の劣化に繋がるのか、過程を詳しく解説していきます。

棟板金が劣化するまでの過程

①浮いた釘の釘穴から水分が浸入する

鉄釘が経年劣化によって抜けたり浮いてくると、ぴったりと隙間なく埋まっていた釘穴に僅かな隙間ができます。

この隙間から台風や暴風の際に横殴りの雨が入り込んでしまいます。

②木材の貫板が腐食する

釘穴の隙間から入り込んだ雨水が木材の下地材(貫板)に触れることで、貫板を徐々に腐食させていきます。

すぐに全体が腐っていくわけではありませんが、時間をかけて段々と傷みが広がっていきます。

③釘の固定が緩む

貫板の腐食が進んでボロボロになってくると、貫板に刺さっている釘の固定力が下がり、グラグラするようになります。

下の画像は、腐食が進んた貫板です。

腐食によって端の部分が所々ボロボロと割れてしまっています。この状態の下地材に釘がきちんと刺さるとは思えません。

④棟板金ごと浮いてくる

さらに放置していると、浮いた釘が外れるなどして棟板金自体の固定力も下がり、だんだんと棟板金が浮いてきます。

そうすると、強風時に棟板金からバタバタという音が聞こえてくるようになります。

⑤台風や強風の際に棟板金が飛ぶ

棟板金が浮いているときに台風や強風が直撃すると、その勢いで棟板金は簡単に屋根から剥がれてしまってり、飛ばされてしまいます。

これが最悪の事態です。もし歩いている人や近所の家、車などにこの大きな金属が当たったらと考えると…恐ろしいです。

最初の予兆は「釘の浮き」

棟板金の劣化の第一段階は釘が浮いて隙間が出来ることです。この時点で補修を行うことで、劣化を早期に予防することが出来ます。

釘が浮いてくる理由

棟板金の釘が浮いてしまう原因には、金属の「熱膨張」という現象が関係しています。

金属における熱膨張とは温度が上昇することによって金属の体積や長さが大きくなる現象のことで、温度が上がると体積は増え、下がると逆に収縮します。

棟板金は金属製であるためこの熱膨張の性質を持っています。よって、日中は太陽の熱によって膨張し、夜間は冷えるので収縮します。その際、膨張した時に釘を外に少し押し出しますが、収縮した時に釘は一緒に元の場所に戻るわけではなく、押し出されたままの状態になります。

こうして毎日少しずつ押し出され続けていくことで、何年もの時間をかけて徐々に釘が浮いてくるのです。

定期点検で見てもらうのがオススメ

棟板金は屋根に取り付けられていて目に届かない場所にあるため、いつ釘が浮いてきたかを実際に確認することは難しいのですが、大体築7年を過ぎると経年劣化による釘の抜けや浮きが見られるようになると言われています。

可能であれば築7年を経過したあたりで棟板金の点検を行うことで、棟板金の釘の浮きを早期に発見して劣化が進む前に補修を行うことができます。

また築7年以上が経過している住宅では、予防として台風の前などに一度点検してもらうのも良いかもしれません。

木材の下地材を使う時代はもう終わり?

先述したように、棟板金の下には貫板(ぬきいた)と呼ばれる下地材があります。

従来の貫板は木材であることがほとんどであったため、隙間から侵入した雨水を木材がダイレクトに受けてしまうことで貫板が腐食し、釘のゆるみや棟板金のぐらつきに繋がっていました。

そこで、『だったら雨水を受けやすい貫板を木材ではなく水分に強いものに変えたら、棟板金自体の耐久性も上がるのでは?

近年ではそういった考えが広まり、木材ではなく金属製樹脂製の貫板が流通するようになりました。

その中でも、シャインが強くおすすめするのはガルバリウム鋼板の下地材、ガルベース】です。

ガルベースとは

ガルベースとは、ガルバリウム鋼板から作られた金属製の下地材です。

ガルバリウム鋼板は、【ガルバリウム】と呼ばれる「亜鉛」「アルミ」「シリコン」で構成された合金で金属板をめっきしたもので、約30年と言われる非常に高い耐久性を備えています。

表面に傷や穴ができると、自らを溶かして傷を保護し、腐食が進行するのを予防する「防食作用」と、溶けてしまったことで出来た穴を自らで埋める「保護作用」の2つの作用がサイクルしてはたらくため、内部の金属部分まで腐食することなく、耐食性に優れています。

金属製であるため当然変形や欠けが発生することは無く、また樹脂製の下地材によく見られる経年劣化による割れやすさもありません。

このような耐久性の高さによって、ガルベースは穴あき保証【25年】という保証年数を実現しています。これはカバー工法や葺き替え工法で使用される金属屋根と同等の性能です。

シャインでは、次世代の下地材として、このガルバリウム鋼板の高耐久下地材ガルベースをおすすめしています。

貫板を耐久性の高いものに変えるだけで、棟板金自体の、そして屋根全体の耐久性がグッと向上しますので、ぜひ検討してみてください。

ガルベースに関しては、こちらのブログでも詳しく解説しています!▽

棟板金の補修方法

①既存の板金を取り外し、貫板を取り外す

棟板金を固定している鉄釘をバールなどを使って引き抜き、棟板金を取り外していきます。

既存の棟板金はまた最後に再利用するため、まとめて保管しておきます。(トタン板金の場合は新しくガルバリウム鋼板の板金を取り付けることが多い)

棟板金を撤去すると現れるのが、貫板です。

貫板も固定している釘を引き抜き、取り外します。

下に接着剤のためのシーリングの跡が残っている場合は綺麗に剝がします。

②新しい貫板を設置

ガルバリウム鋼板、或いは木材の新しい貫板を設置します。

木材


ガルバリウム鋼板

既存貫板を取り外す前に付けた印を元に、それに合わせて設置していきます。

印付け


設置

③再び板金を設置

既存板金を再び設置します。※既存板金の劣化が激しい場合や、既存板金がトタン板金の場合は新しい棟板金を設置します。

なお、固定する釘は鉄釘ではなくステンレス釘を使用します。ステンレス鋼で作られたステンレス釘は錆びにくく耐候性が高いため、屋根のような天候の影響を受けやすい屋外での使用に適しています。

④繋ぎ目・釘頭のシーリング

既存板金を取り付けたら、最後にジョイント(板金同士の繋ぎ目)部分と釘頭にシーリング処理を施していきます。

ジョイント部分と釘頭は隙間から雨水が侵入しやすい箇所であるため、ここをしっかりとシーリングで塞いでおかないとせっかく補修を行ってもまた短期間で同じことを繰り返してしまいます。

【ジョイント】

【釘頭】

特に釘頭のシーリング処理は標準施工として行っていない業者もいます。重要な箇所ですので、防水処理がきちんとされるのか事前に確認しておくと良いでしょう。

シャインのYouTubeで施工の全貌を公開中!

以上の棟板金補修の流れは、シャインのYouTubeにて作業密着動画がアップされています!

写真や文字ではイマイチ分かりにくいという方も動画で見ると理解しやすいと思いますので、是非ご覧になってみてください!▽

棟板金の修理は火災保険が使える?!

もし台風や強風などの自然災害によって棟板金が外れてしまった、或いは飛ばされてしまった場合、火災保険が利用できるケースがあります。

住宅を購入したり建てた際にほとんどの方が必ず加入するであろう火災保険。せっかく保険料を支払っているのですから、積極的に活用することをおすすめします。

しかし、火災保険を利用するにはクリアしておかなければならない以下のポイントがあります。

自然災害によって被害を受けていること

②実際に被害に遭った災害を補償する火災保険に加入していること

③被害を受けてから3年以内に申請すること

④補修費用が火災保険の免責金額(契約者自身が負担する金額として契約時に設定する金額)を超えていること

このように、火災保険に加入していれば必ず使えるというわけではなく、条件を満たしておく必要があります。

特に①の「自然災害による被害であること」というのは火災保険における大前提でもあるので、必ず知っておかなければなりません。

経年劣化や施工不良の場合は火災保険を利用することはできませんので、注意しましょう。

見積書に要注意

火災保険を申請する際には、まずリフォーム業者に被害箇所の状態を元に見積書を作成してもらい、それを保険会社に提出します。

そこまで依頼してしまうと、火災保険の申請のために見積書をお願いしたけれど施工は別の業者に依頼する、なんてことは言いにくい方が多いでしょう。

中にはそこに付け込んで、相場よりも明らかに高額な過大請求を行い、不正に利益を得ようとする業者も存在します。

不自然に高額な見積書の場合、最悪保険会社から保険金が下りない場合もありますので、火災保険を申請する際は見積書を依頼するリフォーム業者の選別は慎重に行うようにしましょう。

屋根補修における火災保険の利用に関しては、こちらのブログにて申請方法や補償範囲などを詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください!▽

屋根リフォームの際に同時にメンテナンスしよう

棟板金のリフォーム費用は様々な屋根の形や劣化状況など要素によって異なりますが、トータルして平均約25~40万程度かかると言われており、そしてその半分を占めるのが【足場代】です。

棟板金は屋根のてっぺんに取り付けられているため、施工をするには足場を組む必要があります。そうなるとオススメなのが、

屋根リフォームの施工と同時に棟板金のメンテナンスを行う、ということです。一緒に行うことで足場代を一度にまとめられ、施工にかかるトータル費用を抑えることが出来ます。

また、屋根は一般的に5年に1回程度の頻度で定期点検を行うことを推奨していますが、この点検の際には棟板金の中まで確認を行ってくれる業者を選びましょう。

棟板金の中がどのようになっているのかは、結局は開けて確認してみないと分かりません。さらに棟板金の劣化は中の下地材に原因があることが多いため、釘や板金の状態に限らず下地材の状態も確認してもらうことで、早期に劣化要因を発見することが出来るのです。

棟板金の浮きを指摘してくる悪徳業者も増加中

ここまで解説してきたように、棟板金が浮いている状態が危険であるということは紛れもない事実であるのですが、

昨今の屋根訪問業者による詐欺で最も使われているセリフが「棟板金が浮いていますよ」である、ということも知っておく必要があります。

ある日突然業者が来て「棟板金が浮いてor剝がれています。このままでは危ないですよ」と伝えられ、焦って業者を屋根に上がらせたことによって逆に屋根を傷付けられてしまう、或いは早まってその場で高額な補修工事の契約をしてしまう…といったトラブルが近年後を絶ちません。

また、火災保険が適用できる自然災害後は火災保険の利用を謳った悪徳業者による被害も急増しています。

・今すぐに無料で診断します
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・火災保険の利用を勧める
・「早く治さないと」「今すぐに修理しましょう」などと不安を煽る

もし、上記に当てはまる言動がある業者が訪ねてきたら警戒するようにして下さい。そして何よりも、絶対に屋根に上がらせてはいけません。

もし悪徳訪問業者を屋根に上げてしまった場合、ありもしない不具合を指摘されたり、わざと屋根を壊して「このような状態になっていました…」とまるで最初から壊れていたかのように説明して多額の修理費用を請求されてしまいます。

突然やって来た人を簡単に家の中には入れないのと同じように、いきなり来た訪問業者も絶対に屋根に上らせないようにしましょう。

そして、もし不安を感じた場合は訪問業者ではなく、必ず信頼のおける別の業者に点検を依頼し、本当に不具合があった場合は必ず複数のリフォーム会社で見積もりを取って、最も納得できる業者と契約するようにしましょう。

屋根修理の訪問業者に契約を迫られたときの対応方法や相談窓口、実際の事例などについて詳しくはこちらの記事をご覧ください▽

「お宅の屋根、剝がれてますよ!」増え続ける訪問業者への対処法【手口や実際の事例などを解説】

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