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汚れにくいけど価格は高い?外壁塗装における【無機塗料】のメリット・デメリットを解説!

塗料に関する情報

2023.10.01 (Sun) 更新

みなさんこんにちは!

流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店のシャインです!

夜や朝はもう寒さを感じるようになってきましたね!急な気温の変化で体調を崩しやすい時期ですので、しっかり予防しましょう!

さて、本日のテーマは【無機塗料のメリット・デメリット】についてです!

無機塗料とは?

世の中の物質は全て【有機物】【無機物】の2つの種類に分けられます。

有機物は生命が作り出す化学物質であり、無機物は有機物以外の全てを指し、生命が作る事が出来ないため寿命が存在しない物質です。

寿命がないということは、劣化することがありません。例えばガラスは無機物ですが、紫外線をどんなに浴びても窓ガラスは劣化することはありませんよね。

無機塗料は、そんな最強の物質である無機物を塗料に採用することで、耐久性をぐんと上げる事を可能にした塗料なのです。

無機物と有機物の良いとこ取り塗料

無機物はそれだけでは外壁に貼り付ける事が出来ません。

そのため、無機塗料といってもすべてが無機物で出来ているわけではなく、実際は樹脂の中に無機物を混ぜ込んで無機物を含んだ有機樹脂を外壁に塗る、という感覚が近いです。

つまり、無機塗料とは無機物と有機物の混合塗料なのです。

有機物が配合されている以上劣化は発生してしまいますが、無機物を使っている分長い寿命を発揮する事が出来るという事となります。

もちろん無機物の効果だけでなくベースとなる有機樹脂の性能も兼ね揃えているため、【ハイブリット塗料】と呼ぶメーカーもあ多く、その名の通り有機と無機の良いとこ取りの塗料なのです。

無機塗料のメリット

1.耐候性が高い

塗料には、ウレタン▷シリコン▷フッ素▷無機フッ素▷無機 の順に各種グレードがあり、耐候性(=耐用年数)とグレードは比例しています。

そして、無機塗料のグレードは塗料の中でも最高峰のグレードを誇ります。

なぜ耐候性が高いのか、それは紫外線による劣化や変色の影響を受けにくい無機物を含有した塗料であるため、

先ほど例にも挙げたガラスのように劣化しにくく、長期間にわたって外壁を保護するからです。

2.優れた低汚染性

低汚染性とは塗料の汚れにくさを指します。

無機塗料は低汚染性に優れており汚れにくい特徴がありますが、その理由には無機塗料の持つ2つの性質が関係しています。

一つ目は【親水性】です。親水性とは水に馴染みやすい性質のことで、汚れと塗膜の隙間に水が入り込むことで汚れを浮かせて洗い流すことができるという仕組みです。

親水性が高い塗料は雨が降った際にその雨水で十分に外壁を綺麗にすることができるので、雨だれ汚れなども付きにくく、汚れにくいのです。

2つ目は【静電気の起こりにくさ】です。静電気には埃や塵などを引き寄せるため、静電気が起こりにくいとそれらの汚れが壁に付着しにくくなります。

細かな汚れが付着するとそれが苔や、藻、カビなどを発生させる原因にもなるため、それらの劣化要因の発生にも効果があります。

3.燃えにくい

無機物は石や鉱物などのことも指します。

石や鉱物は燃えにくい性質を持っているため、それらを含んでいる無機塗料は有機物のみで構成されている塗料に比べて燃えにくいのです。

耐火性が強いため、家を火災から守ることができます。

無機塗料のデメリット

上記で解説したように高耐候性などのメリットの多い無機塗料ですが、使用を考える際には必ず把握しておきたいデメリットもあります。

1.費用が高い

塗料の耐候性(=耐用年数)とグレードは比例しますが並行して価格も比例します。

つまり、無機塗料はグレードの中で最も価格が高い塗料なのです。

塗料に配合されている無機物は安価なものではないため、その分他の塗料と比べる

と価格が高く、更にはまだ普及が少ないため価格を下げる事が出来ないという理由もあります。

今後無機塗料が普及してくれば、価格も安くなると考えられるでしょう。

種類によって異なりますが、無機塗料の単価は約5,000~5,500円/㎡と考えられます。

現在一番普及しているシリコン塗料の単価が約2,300~3,000円/㎡でありほぼ2倍近い価格となっていますので、安く塗装を済ませたいと考えている方の場合、あまりお勧めはできません。

2.ひび割れしやすい

無機塗料に配合される無機物は硬い性質を持っています。この性質により無機塗料は柔軟性に乏しいため、ひび割れしやすいという特徴があります。

この場合、外壁にひびが生じた際に一緒に塗装にもひび割れが発生してしまうリスクがあります。

そのため、モルタル壁などのひび割れしやすい材質の外壁や、外壁自体の劣化が進んでいるなどで「ひび割れしやすい」と判断した場合は無機塗料の使用はお勧めしません。

しかし、外壁自体に問題は無くても地震や台風などで建物が大きく揺れた場合、ひび割れを起こしてしまう可能性は十分にあります。

近年では弾力性の高い無機塗料も開発されているため、気になる方はそのような塗料を選ぶと良いでしょう。

3.すべての素材に対応できるわけではない

正直、塗料同士の相性の良し悪しはどの塗料にもありますが、無機塗料はまだ普及率が低く、多くの種類が開発されていないこともあり、他の塗料に比べても塗装できる素材が限られています。

現時点では、木部の素材とは相性が良くなく、使用することができません。

また無機塗料の種類によっては、サイディングボードガルバリウム鋼板にも不向きな場合もあります。

今後、様々な種類の無機塗料が開発されていけば、将来的には木部やガルバリウム鋼板にも塗装できるようになる可能性はありますが、今は素材や箇所が限定されてしまうことも多いと考えておきましょう。

4.艶消しができない

外壁の塗装をした後はやはりピカピカした艶のある外観を思い浮かべる方が多いと思いますが、一方で艶のある外観を好まない方や、家のイメージや構造的に艶が無い方が魅力的に見えるお家もあります。

そのために外壁塗料は艶を調節することができ、その中には艶のないマットな仕上がりになる【艶消し塗料】があります。

しかし、現在では大手メーカーから出ている無機塗料には、完全な艶消しの無機塗料は出ていません。

艶調整を行って5分艶や3分艶などの一定程度まで艶を消すことは可能ですが、無機塗料のような高耐候性の塗料は艶の調整をするとせっかくの耐候性が落ちてしまうのであまりお勧めはしません。

外壁は艶があるほど汚れにくく耐久性があります。艶を調整するためには樹脂に添加剤を配合するため、それにより耐久性が少し落ちてしまうのです。

外壁塗装において、機能性外観どちらを優先したいかを十分に考慮した上で塗料を選ぶと良いでしょう。

5.実際の耐久年数・善し悪しが分からない

無機塗料は有機物と無機物を混ぜ合わせて作られますが、それぞれを配合する割合などの厳密な定義は定められていないため、

言ってしまえば、ほんの少し無機物が入っているだけでも【無機塗料】とすることが出来てしまいます。

これを逆手にとって、中には質の良くないものや効果が実証されていない無機塗料を高額な値段で勧めてくる悪質な業者もいます。

そのため、無機塗料を使用したい場合は信頼出来る大手塗料メーカーのものを使用するようにしましょう。

また、無機塗料は耐用年数20年程度と言われていますが、無機塗料自体が発売されてまだ20年経っていない塗料のため、実はまだ実際にその事実を経年で証明された事例はありません。

無機塗料の本当の善し悪しは、塗装して実際に20年が経過したときに証明されます。

しかし、様々な実験を重ねて実証されているため、理論的に考えると耐久年数が長いことは事実です。

6.完成度は職人の技量による

どれだけ高耐候の良い塗料でも、その効果をしっかりと発揮させるためには一定の厚みで塗装する職人の技術が不可欠となってきます。

無機塗料に限らず言えることですが、塗装をする職人の技術力や知識が低いと、どのような塗料であっても数年で劣化が起きてしまいます。

工程の順番や乾燥時間、塗料の量の規定など一つ一つを守らなければならず、どれか一つでも手を抜くと数年で剥がれてきてしまうのです。

無機塗料のような高額な工事であれば尚更、確かな技術力を備えた信頼出来る業者を選ぶことがとても重要になってきます。

数多い塗装業者の中から、安心して任られる業者を選ぶのは至難の技かもしれませんが、業者選びには十分に気を遣うようにしましょう。

こちらの記事では安心して任られる業者を見極めるポイントを解説しています!ぜひご覧ください!▽

外壁屋根塗装工事の運命を握る!正しい業者選びのコツ

無機塗料をオススメしたい方・オススメしない方

無機塗料にはメリットとデメリットがあるため、特徴を押さえて採用することが重要です。

上記で解説したメリット・デメリットを元に、無機塗料がオススメな方とそうでない方の特徴は以下になります。

無機塗料がオススメな方

外壁に汚れが付着しやすい環境でお住まいの方

無機塗料の最大の特徴は何といってもその耐候性の高さです。

大通りに面していたり、外壁色が白などの汚れが目立ちやすい色のお家などの場合は、その耐候性を活かせるためおすすめです。

雨風の多い地域や日当たりが悪い又は日照時間が長い環境の方

無機塗料の耐候性の高さは、紫外線による劣化をはじめとして、の付着、それに伴うカビやコケの発生などに対しても効果を発揮するため、このような環境での使用が最も適しています。

メンテナンスの回数を減らしたい方

無機塗料は初期費用こそ高いものの、その分耐用年数が高くメンテナンス回数を減らせるため、長期的に考えるとコストパフォーマンスに優れています。

新築のお家や、何度もメンテナンスしたくないという方にはおすすめです。

無機塗料をオススメしない方

モルタル壁・コンクリート壁のお家の方

無機塗料のデメリットとして、「ひび割れしやすい」というのがありました。モルタル壁コンクリート壁ひび割れしやすい材質であるため、あまり相性が良くありません。

外壁にひびが生じると塗装にもひび割れが発生してしまうリスクがあります。

艶消しの仕上がりを希望する方

艶を消すために添加物を配合して調整することにより、本来発揮できるはずの無機塗料の耐候性などの機能が失われてしまう可能性があります。

艶消し仕上がりにこだわりがある方にはあまりおすすめできません。

コスト重視の方

無機塗料は他の塗料に比べて価格が高いため、1度の塗装費用を抑えたい方には向いていません。

一度の塗装にかかるコストをできるだけ削減したい方は、無機塗料ではなくシリコン塗料やラジカル塗料がおすすめです。

最後に

無機塗料は、無機と有機の良いとこ取りをしたハイブリット塗料で、無機物を混合することにより非常に高い耐候性とそれに伴う20年以上の耐久年数を誇る塗料です。

費用の高さがデメリットとして挙げられますが、長期的に見るとメンテナンス数が少なくコストパフォーマンスに優れているため、新築の塗装などにおすすめです。

しかし、割れやすさ艶消しに対応していないなど他に注意すべき点もありますので、ご自宅の外壁の材質何を優先的に考えて塗装するかなどを考慮した上で検討するのが良いでしょう。

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