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塗装できない?第二世代のスレート屋根材【コロニアルNEO】について徹底解説!メーカー保証の有無やメンテナンス方法など

2025.02.15 (Sat) 更新

みなさんこんにちは!

流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店のシャインです!

ここ最近は風が強い日が多いですね!つい数日前には「春一番が吹くかも?」なんて言われていましたが、風速が足りなかったとか…(>_<)

北風で強風はかなりしんどいので、早く穏やかな南風が吹くようになってほしいですね…!

さて、本日のテーマは【コロニアルNEOについてです!

コロニアルNEOとは?

コロニアルNEOはクボタ(現ケイミュー)から2001年に販売されていた屋根材で、2008年に改良版の「コロニアルクアッド」が登場したため約7年間のみ販売された商品です。

人体に健康被害をもたらすとして建材使用が禁止されているアスベスト(石綿)を使用しない「ノンアスベスト屋根」で、アスベストが禁止された直後に販売されていた第二世代のスレート屋根(=初期のノンアスベスト屋根)に該当します。

この世代のスレート屋根共通の問題として、非常に脆くひび割れや欠けが起こりやすいという特徴があり、特にコロニアルNEOで多くみられる劣化症状は屋根の各所で起こる不規則なひび割れです。

耐久性の低い屋根材であるため、通常スレート屋根は適切なメンテナンスを怠らなければ20~30年の寿命と言われていますが、コロニアルNEOの寿命は基本的に10~20年程度であり、また通常のスレート屋根では対応可能な塗装メンテナンスや部分補修は屋根材の性質上おすすめできません。

現在は改良版の方が広く普及していますが当時はスレート屋根のシェアを独占していた商品であるため、今もなおコロニアルNEOを屋根材に使用した住宅は数多く存在しています。

そもそもコロニアルとは

コロニアルとは、ケイミュー(旧クボタ)が取り扱っているカラーベストと呼ばれるスレート屋根のシリーズの一つの商品です。

つまりはスレート屋根なのです。名称が違うのでコロニアルとスレート屋根を別物だと思っている方も多くいらっしゃいますが、呼び方が違うだけで同じ商品です。

昭和や平成初期の屋根材の主流は瓦屋根でしたが、1995年に発生した阪神淡路大震災をきっかけに瓦屋根の耐震性が社会問題となり、軽量で安価に大量生産できるコロニアル屋根が市場を独占し、今も尚広く普及し続けています。

パミールとの違いは?

コロニアルNEO同じく第二世代のスレート屋根で特に代表的なのが「パミール」という屋根材で、耐久性の低さが同等なのは勿論のこと、見た目も非常に似ています。

スレート屋根は屋根先がデコボコしているという共通の特徴があるのですが、その中でもパミールは凹凸の幅が均等で、コロニアルNEOは凹んでいる方が長いのが違いです。

また劣化症状についても、パミールは何層にもなっている屋根材の表層が剥がれていく「層間剝離」が代表的な劣化症状であるのに対し、コロニアルNEOはひび割れが代表的な劣化症状です。

★パミールについて詳しくはこちらのブログをご確認ください!▽

90年代後半~2000年代前半のノンアスベスト屋根には要注意

1990年代後半から2000年代前半にかけて販売されたスレート屋根には、コロニアルNEOの他にも「パミール」「セキスイかわらU」「ザルフ」などがありますが、これらの屋根材は【非常に脆弱で寿命(耐用年数)が短い】という共通の特徴があります。

この背景には、「アスベスト」という繊維鉱物の存在が深く関係しています。

アスベスト、という名称は皆さん一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

アスベストとは繊維状の天然鉱物で、耐熱性や断熱性・柔軟性に優れており、自動車部品や電気製品など幅広く使用されてきました。

1960年代の高度成長期には建築材料の補強材としても使用されており、アスベストが含まれた屋根材や外壁材も広く普及していました。

しかし、90年代の後半からアスベストによる健康被害が問題視され、建材への使用が規制されるようになりました。そしてこれに伴い、アスベストを含まない「ノンアスベスト」の屋根材の開発が各メーカーで始まったのです。

この時期に開発されたのが、コロニアルNEOをはじめとした【第二世代のスレート屋根】です。

第二世代のスレート屋根はアスベストの代替として竹や草などから抽出される「パルプ繊維」と呼ばれる繊維を配合していましたが、パルプ繊維は吸水性が高いため屋根材自体の吸水性も高くなってしまい、早い段階でひび割れや剥離などが起こりやすく耐久性はあまり良くありませんでした。

さらに、アスベスト無しで同等の強度を保てるような屋根材の開発自体が手探りの状態の中で急遽開発された商品であったため、耐久性や劣化に対しても十分な検証が行われることなく世の中に普及してしまったのです。

よって、90年代後半から2000年代前半の【第二世代のスレート屋根】は全体的に耐久性が低く寿命が短い傾向があり、そしてここ数年でこれらの屋根材を設置した住宅で寿命となった屋根材の改修工事を迫られている人が急増しています。

○○NEOという名前の商品は危険?!

旧クボタから販売されていた「コロニアルNEO」ですが、この時期の旧クボタの製品は商品名の末に「~NEO」が付いているものが他にも数多く販売されています。

いずれも材質は同じであるため、コロニアルNEOに限らず「○○NEO」という名称の屋根材には注意しましょう。

コロニアルNEOの特徴的な劣化症状

ひび割れ

コロニアルNEOで特に多い代表的な劣化症状の一つです。

スレート屋根は屋根材の中では耐久性が高い方ではないためひび割れは比較的起こりやすい傾向がありますが、通常のスレート屋根のひび割れとコロニアルNEOのひび割れには違いがあります。

通常はスレート屋根を固定するために釘打ちされた箇所の周囲からひび割れが発生することが多いですが、コロニアルNEOの場合は全く関係ない箇所からあらゆる方向にひび割れが進んでいきます。

屋根の全面に不規則にひび割れが見られるというのがコロニアルNEOの大きな特徴です。

欠け・欠落

ひび割れが進行すると屋根材の欠けに繋がります。

一般的なスレート屋根の欠けは大きくても5cm程度までのものがほとんどですが、コロニアルNEOでは10cm以上の比較的大きな欠けがよく見られるのが特徴です。欠けた大きな屋根材が万が一落下してしまった場合、人や車などに当たる危険性があります。

さらに、屋根材の欠けた箇所は雨水の侵入の出入口となりやすく、放置しておくと雨漏りや内部結露を引き起こす恐れがあります。

ムラのある色褪せ

色褪せは紫外線の影響によるものであるため、日に当たりやすい南面の屋根材が全面的に色褪せするという症状は通常のスレート屋根でも起こり得る劣化症状ですが、

コロニアルNEOの場合はスレート一枚ごとに色褪せの速度が異なるため、一枚ずつ色の差異が見られるというムラのある色褪せ方が特徴です。

反り

コロニアルNEOは、築8年前後で反りや変形が発生すると言われています。

屋根材に反りが生じると隙間ができ、そこから雨水が侵入して雨漏りなどを引き起こします。

コロニアルNEOに対する保証はあるの?

コロニアルNEOに対して、残念ながらケイミューからの保証は特にありません。

一般的な屋根材の製品保証期間は長くても10年と言われており、2007年に製造終了しているコロニアルNEOの場合、2007年に新築で建てた住宅の場合でも現在そこから17.8年が経過しているため、メーカー保証は既に切れてしまっている状態です。

また、ノンアスベスト屋根の不具合は「経年劣化によるもの」として扱われることが多いため、基本的にメーカー側への製造責任は認められないというのが現実です。

また、同じく第二世代スレート屋根の「パミール」は、屋根材を固定する釘に不良があったため釘のリコールを行っていますが、コロニアルNEOはリコール対象商品ではなく、そういった対応もありません。

コロニアルNEOのメンテナンス方法

塗装は絶対にNG!

コロニアルNEOをメンテナンスする際、塗装を行うのは絶対にやめましょう。

理由はズバリ、「塗装をしても意味が無いから」です。

塗装を行うこと自体は可能ですが、問題はその塗装に意味があるのかという部分なのです。

コロニアルNEOは屋根材自体が非常に脆く、何もしなくても経年劣化でひび割れや欠けが進行してしまいますが、このひび割れやすい性質は屋根材の構造上の問題であり、また塗装は基本的に屋根材の保護に対してはほとんど効果を発揮しないため、せっかく塗装を施してもまた次々とひび割れが発生してしまうのです。

むしろコロニアルNEOはあまりにも脆いため、高圧洗浄の水圧や点検・補修のために屋根に登っただけでも、その衝撃でひび割れが発生してしまうような屋根材です。

塗装を行うことは意味が無いだけでなく、むしろコロニアルNEOの劣化を加速させて寿命を縮めてしまうため、絶対にやめましょう。

1.カバー工法

カバー工法とは、既存のコロニアルNEOの上から新しくルーフィングを貼り、そこに金属屋根を貼り付けていく施工方法です。

屋根リフォームの中でも最も多く採用されている施工方法で、特に築後20年を経過していない住宅ではおすすめの方法です。

築20年以前の場合、既存屋根の野地板の状態がまだ良好な可能性が非常に高いです。

野地板は屋根材を固定するための下地で、もし既存屋根の野地板が傷んでしまっている場合は、まずは野地板の補修を行うために既存屋根を取り払う必要があるため必然的に葺き替え工法となり、カバー工法は出来なくなってしまいます。

屋根の状態によっては20年以内でも葺き替え工法が必要なケースもありますが、基本的には

●既存屋根材が水分を含んでいる
●すでに雨漏りしていたり野地板が腐食しているなど、重度の劣化症状が見られる

などの内容に当てはまらなければ、カバー工法で対応出来る可能性が高いです。まずは屋根の状況を専門家に確認してもらいましょう。

★カバー工法の施工過程に関しては、こちらのブログをご覧ください!▽

2.葺き替え工法

葺き替え工法は、コロニアルNEOを撤去して新しい屋根材を貼り付ける施工方法です。

既存屋根の撤去費用が掛かるためカバー工法よりも高額ですが、ほぼ新築同様の仕上がりとなるため耐久性は非常に上がります。

また、葺き替え工法施工時以外で野地板を補修できるタイミングはありませんので、葺き替えを行うのであれば野地板の補修(増し張り)も同時に行うことをおすすめします。

新しい屋根材はカバー工法同様に金属屋根を使用しましょう。現在は軽量で耐食性に優れたガルバリウム鋼板の屋根材が主流となっています。

★葺き替え工法の施工過程に関しては、こちらのブログをご覧ください!▽

コロニアルNEOのメンテナンス注意点

部分補修は不可能

全面のメンテナンスを行うと費用が掛かるため部分補修を検討される方もいらっしゃると思いますが、コロニアルNEOに限らず、この時期のノンアスベスト屋根材は必ず部分補修ではなく全面補修を行いましょう。

これらの屋根材はそもそもの耐久性が弱いため、部分補修を行った直後からまた別の場所で劣化が発生…を繰り返してしまいます。

完全にいたちごっこになってしまうため、一回で全面補修を行った方が費用対効果が高いといえるでしょう。

ルーフィング(防水シート)は粘着式のものを

ルーフィング(防水シート)は通常、タッカーと呼ばれる建築用ホチキスや釘止めで固定していきます。

しかし、耐久性の低いコロニアルNEOで釘やタッカーを使用すると屋根材をより傷めてしまう危険があるため、ルーフィングは必ず粘着式のものを使用するようにしましょう。

粘着式ルーフィング

見積書を提示された際に、粘着式ルーフィングなのかどうかを業者に確認するのもおすすめです。

粘着式ルーフィングとはルーフィングの裏面がシールのようになっているため、タッカーや釘を使わずに貼り付けて施工することができます。

耐久性の低い屋根材におすすめであることは勿論のこと、穴を開けずに施工できるため雨漏りリスクを減らせるということで近年普及率が大幅に増えています。

コロニアル→コロニアルの葺き替えはオススメしない

葺き替え工法の際、施工費用が高いことから費用を抑えるために屋根材を同じコロニアル製品にしたいというお客様がたまにいらっしゃいますが、結論から述べると、コロニアルからコロニアルへの葺き替えはおすすめしません。

下の画像は、コロニアルのメーカー、ケイミューから公式で出されている「品質保証について」の内容の一部になります。

参照:ケイミュー公式HP

保証条件が「新築物件」のみとされています。

つまり、改修工事でコロニアルを使用した場合、10年間のメーカー保証が付かなくなってしまうのです。

これがコロニアルへ葺き替えをおすすめ出来ない大きな理由になります。

現在の改良されたコロニアル屋根は耐久性も高く、耐用年数も20~30年と言われています。しかし、やはり瓦屋根や金属屋根に比べると台風などの自然災害に対する耐久性は低く、何かあった時のための保険が無い状態というのは極めて危険です。

葺き替え工法自体がそもそも高額な工事であるため、費用対効果や今後の事を考えると、長く安心できる金属屋根に葺き替えることをシャインでは強くおすすめします。

太陽光パネルの取り付けはNG

コロニアルNEOに限らずですが、第二世代のスレート屋根に太陽光パネルの設置はできません。

耐久性の低い屋根材に太陽光パネルを取り付けるために何十本もの太い金具を取り付けたらひび割れなどの劣化症状がどうなるか、安易に予想できるかと思います。

実際、コロニアルNEOが普及していた当時に新築した住宅では、太陽光パネルを設置したことによって現在屋根のリフォームと太陽光パネルの脱着を両方行うことになってしまったお宅が沢山あります。

太陽光パネルを設置する際は、まずはコロニアルNEOの改修工事を済ませてから、必要に応じて行うのがおすすめです。

業者の見極めが重要

コロニアルNEOのメンテナンスを行う際には、とにかくコロニアルNEOという屋根材について知識や経験が豊富な業者に依頼しましょう。

塗装メンテナンスを進めてきたり、コロニアルへの葺き替えを提案してくるような業者はもってのほかです。

中には金属屋根の施工実績が無い業者がコロニアルへの葺き替えを強く進めてきたり、見積りを安く見せるために塗装を進めてくる業者もいますが、

安さにつられて塗れない屋根に塗装をしてしまったり、メーカー保証の付かない屋根材に葺き替えてしまった場合、数年後に状態が悪化してしまったときに必ず後悔することになります。

決して安くない屋根リフォームだからこそ、後悔しない選択をして頂きたいです。そのためには、しっかりとコロニアルNEOの性質について熟知している業者に依頼することが重要なのです。

信頼できる業者を見極めることが、満足度の高いリフォームに繋がるとシャインは考えております。

★参考ブログ▽

外壁屋根塗装工事の運命を握る!正しい業者選びのコツ

コロニアルNEO施工事例

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