外壁目地の補修【ガスケット・シーリング(コーキング)について詳しく解説】
2025.09.05 (Fri) 更新
みなさんこんにちは!
家の外壁を見ると、パネルとパネルの間に細い線が入っているのがわかります。
これが「外壁目地」です。目地はただの溝ではなく、家を守る上で非常に重要な役割を果たしています。
今回は、外壁目地がなぜ必要なのか、どんな種類があるのか、そして適切なメンテナンス方法について詳しく解説します。
さて、本日のテーマは【外壁目地】についてです!
目次
- 外壁目地の役割とは?
- 外壁目地の種類【素材と工法の違い】
- ハウスメーカーのガスケット目地の特徴
- 積水ハウスの外壁目地
- 大和ハウスの外壁目地
- トヨタホームの外壁目地
- 外壁目地の劣化のサインを見逃さないで!
- ガスケット目地の劣化
- シーリング目地の劣化
- 外壁目地のメンテナンス方法
- 【ガスケット目地のメンテナンス方法】
- 【シーリング目地のメンテナンス方法】
- 外壁目地の施工事例
- 【ガスケット(乾式目地)の上から塗装】
- 【ガスケットからシーリング打ち替えへ】
- 【シーリング打ち替え(先打ち・後打ち)】
- シーリング工事の「先打ち」と「後打ち」について解説
- 外壁目地のメンテナンスには外壁塗装も同時に行いましょう
- シャインは流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店です
外壁目地の役割とは?
紫外線や雨風、熱などさまざまなことから暮らしを守る外壁ですが、外壁素材や外壁塗装と同じくらい重要になるのが、壁材同士の間をつなぐ目地です。
外壁の目地には、主に3つの重要な役割があります。
1. 防水・気密性の確保
外壁のパネル同士をぴったりと密着させ、雨水が建物内部に侵入するのを防ぎます。目地が劣化すると、ここから雨漏りが発生するリスクが高まります。
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2. 建物の動きを吸収
建物は、地震や風、さらには気温の変化によって常にわずかに動いています。目地は、この動きをクッションのように吸収することで、外壁材にひび割れが入るのを防ぐ役割を担っています。
3. 美観の維持
外壁のパネルを規則正しく並べ、統一感のある美しい見た目を作り出します。目地がきれいだと、家全体がすっきりとした印象になります。
外壁目地の種類【素材と工法の違い】
外壁の目地には、主に以下の2つの種類があります。
1. シーリング目地(コーキング目地)
日本の住宅で最も一般的に使われているのが、このシーリング材(コーキング材とも呼ばれます)を使った目地です。弾力性のあるペースト状の材料を溝に充填し、固めることで目地を形成します。
柔軟性が高く、建物の動きに合わせて伸縮してくれるので緩衝材のような役割があり、色や種類が豊富で、外壁に合わせたものが選びやすいです。
しかし、経年劣化が避けられないため紫外線や雨風に弱く、10年程度でひび割れや硬化が始まることが多いです。
2. ガスケット目地
ガスケットは、工場で外壁パネルの形状に合わせて成形されたゴム製のパッキンです。現場では、外壁パネルの隙間に差し込むだけで施工が完了するため、職人の技量に左右されず、均一な品質が保たれます。シーリング材よりも耐久性が高く、長持ちすることが特徴です。劣化の兆候が見られるまで、外壁塗装と同じタイミングでメンテナンスを行うのが一般的です。
主に積水ハウスや大和ハウス、トヨタホーム・パナホームなど大手ハウスメーカーが採用している工法で「乾式目地」や「定型目地」とも呼ばれます。
ハウスメーカーのガスケット目地の特徴
ハウスメーカーが外壁に採用しているガスケットは、各社が独自の技術で開発・製造しているものが多く、その種類は多岐にわたります。各ハウスメーカー独自の外壁パネルのデザインや色に合わせたガスケットが用意されているため、目地が目立たず、外壁全体に統一感のある美しい仕上がりとなります。しかし、その根本にあるコンセプトは、一般的なシーリング目地(湿式目地)の弱点を補い、住宅の長寿命化を図るという点で共通しています。
積水ハウスの外壁目地
【積水ハウス外壁目地の特徴】
積水ハウスは「ダインコンクリート」や「ベルバーン」といった独自のオリジナル外壁材に合わせた耐久性の高い目地材を採用しています。ガスケット(乾式目地)に高耐久化を実現した樹脂「シールジョイント30」を採用しており、打ち替えサイクルを大幅に延長させ、耐用年数は30年とされており、一般的なシーリング材(10~15年)に比べて約2倍の耐久年数を実現しています。
また、積水ハウスは高い耐震性を追求し外壁の取り付けにも独自開発した金具を取り付けることで地震による建物の揺れの変形を金具が回転して揺れを抑え、目地も伸縮することで変形を吸収し外壁に破損が起きないようにする役割を果たしています。
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大和ハウスの外壁目地
【大和ハウスの外壁目地の特徴】
大和ハウスも、外壁パネルの目地にガスケットを採用しており特徴的なのは、独自の「二重防水構造」です。
外壁材の表面で一次防水、その内側の「二次ガスケット」と「透湿防水シート」で二次防水を施す独自の構造を採用しています。万が一、一次防水が機能しなくても、内部に侵入した雨水を外部へ排水する仕組みになっています。
一次防水を担う外壁の目地材は、紫外線や温湿度の変化で毎日収縮するため劣化しやすい箇所です。
大和ハウスは、経年劣化に耐える柔軟性と弾力性を備えた「高意匠高耐久シーリング」を採用しており、日々の伸縮だけではなく地震時に建物全体が大きく揺れた場合にも追随性能が高いことを、加震後のシーリング確認(E-ディフェンス)での実大実験で確認しています。
また、外部に露出しない二次防水は紫外線にさらされないため劣化しにくく、防水性能を長期にわたって維持され、高い止水性能を持つガスケットを組み合わせることで、豪雨時でも水の浸入を防ぐ設計になっています。
大和ハウスでは、「促進熱劣化試験」や「促進耐候性試験」、「シーリング材疲労試験」により、30年相当の高い耐久性能があるといわれています。
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高耐久サイディングやセメント瓦が特徴的!大和ハウスの住宅の特徴やメンテナンス方法を徹底解説
トヨタホームの外壁目地
【トヨタホームの外壁目地の特徴】
トヨタホームは、ユニット工法に合わせたガスケットを採用しています。
住まい全体の約85%を工場で生産しており、外壁パネルとガスケットが一体で製造されることも多く、現場ではパネルを組み立てるだけで高い防水・気密性能を確保できます。
ガスケットの耐久性は20~30年程度といわれておりますが、30年という耐用年数はあくまでシーリングに比べて破損や割れなどの症状が起きにくいという観点から割り出される予想耐用年数であり、実際はシーリングと同様に紫外線の影響によって劣化するため、30年が経過する前に浮きや反りなどの症状が見られる場合も多いです。
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自社オリジナルの高耐久サイディングを採用!トヨタホームの住宅の特徴やメンテナンス方法を徹底解説
外壁目地の劣化のサインを見逃さないで!
外壁の目地は、常に紫外線や雨風にさらされているため、時間とともに必ず劣化します。
ガスケットは耐久性に優れているからとそのままにせず定期的な点検を行いましょう!
以下のような劣化サインが見られたら、メンテナンスの時期が来ている可能性が高いです。
ガスケット目地の劣化
各ハウスメーカーのガスケット目地で共通して起こる劣化は、ひび割れや硬化、浮き、反り返りなどの形で現れます。特に、変形や反りが起きると元のように戻すことは不可能です。これらの劣化が見られた場合、放置すると雨漏りの原因になるため、適切なメンテナンスが必要です。
ガスケットは各ハウスメーカーの独自規格で製造されていることが多いため、同様のガスケットの交換をご希望の際は建てたハウスメーカーにメンテナンスを依頼することが推奨されます。
シーリング目地の劣化
シーリング目地の劣化は主に以下の症状が現れます。
肉やせ(痩せ): シーリング材が収縮し、溝が浅くなっている。
表面のひび割れ: 目地の表面に細いひびが入っている。
破断(はだん): ひび割れが深くシーリングが完全に裂けている
剥離(はくり): 目地と外壁材の間に隙間ができ、完全に剥がれている。
これらの症状を放置しておくと、外壁の防水性が失われ、雨漏りの原因になるだけでなく、最悪の場合、外壁材自体の交換が必要になることもあります。
外壁目地のメンテナンス方法
【ガスケット目地のメンテナンス方法】
ガスケット自体に浮きや反りなどの劣化が目立たず、しっかりと固定されている場合は撤去の必要はなく、専用の下塗り材(プライマー)を塗った後に外壁塗装を行います。
しかし、ここで使用する塗料には注意をしなくてななりません。
ガスケットには、柔軟性を持たせるために可塑剤というものを含んでいます。ここに塗装をすると可塑剤の油分と塗料が化学反応を起こして軟化します。そして軟化した状態のまま固まらず、ベタベタした状態になってしまうのです。これを【ブリード現象】と言います。
この現象を防ぐには、下塗りの時点で可塑剤に適したバリヤープライマーやブリードオフプライマーなどでの下塗りが必須となりますが、知識のない業者が施工すると通常の下塗りで塗装されてしまうので注意しましょう。
ガスケットの劣化症状により既存のガスケットを撤去し、シーリング材を充填するシーリング打ち替えのご提案もさせていただいております。
【シーリング目地のメンテナンス方法】
シーリング目地のメンテナンス方法は、主に「打ち替え」と「増し打ち」の2つの方法があります。
1. 打ち替え(推奨)
既存の劣化したシーリング材をすべてカッターなどで取り除き、新しいシーリング材を充填し直す方法です。
古いシーリング材を完全に除去するため、新しいシーリング材の性能を最大限に引き出せ高い防水性、耐久性が復活します。
2. 増し打ち
既存のシーリング材の上から、新しいシーリング材を重ねて充填する方法です。
古いシーリング材を撤去する手間がないため打ち替えよりも費用が抑えられますが、耐久性は打ち替えよりも劣ります。
一般的には、古いシーリング材の劣化が激しい場合や、耐久性を重視する場合は「打ち替え」が推奨されますが、窓枠やサッシまわりなど完全な撤去が困難な箇所はできる限りの撤去後に増し打ちをさせていただきます。
外壁目地の施工事例
【ガスケット(乾式目地)の上から塗装】
松戸市H様邸はセキスイハイムの住宅でした。セキスイ施工住宅特有のガスケット(乾式目地)を使用されていました。
交換が必要になるほどの劣化は見られなかったためガスケットの交換は行いませんでしたが、ブリード現象を防ぐために塗装メンテナンスの際には専用の下塗り材をしっかりと塗布して塗装を行いました。
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【ガスケットからシーリング打ち替えへ】
積水ハウスにお住いのお客様もガスケット(乾式目地)を使用されており、変形や反り、一部目地材が破断などの劣化が進んでいましたのでシーリング打ち替えでの施工を行いました。
既存のガスケットを撤去し目地用バックアップ材(棒状の発泡スチロール)を目地の奥まで挿入します。
※目地用バックアップ材を入れることにより3面接着を回避します。
3面接着とは、シーリング材が目地の両側(2面)だけでなく、目地底にも接着している状態を指します。
3面接着を適用すると、シーリング材の伸縮性が失われ、早期にひび割れや破断を起こす可能性が高まります。 これは、シーリング材が3方向から接着されることで動きが拘束され、伸縮する際に力が集中してしまうためです。
プライマー塗布後、シーリング充填し仕上げます。
【シーリング打ち替え(先打ち・後打ち)】
柏市I様邸は築20年で初めてのメンテナンスでした。目地はシーリング目地(コーキング目地)で経年劣化により凝集破壊、界面剥離の症状が起きていましたので打ち替えを行いました。
また、I様邸の外壁は単色サイディングとアクセントに多彩色サイディングが使われており多彩色サイディングは状態が非常に良好でした。
単色サイディングの外壁にはシーリング打ち替え【先打ち】を行い
多彩色サイディングの外壁にはシーリング打ち替え【後打ち】を行いました。
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シーリング工事の「先打ち」と「後打ち」について解説
■ 先打ち
先打ちは、外壁塗装をする前に目地の打ち替えを行い、外壁塗装時にシーリング目地ともに塗装を行います。
目地の上に塗装をするので塗膜で覆われシーリングを保護し紫外線や雨風から遮られ、耐久性が向上し、外壁全体が同色になり見た目が美しく仕上がります。
しかし、表面の塗膜割れが起きてしまうデメリットもあります。
■ 後打ち
後打ちは、外壁塗装をした後に目地の打ち替えを行うため、シーリング材には塗装を行いません。
シーリング材の上に塗膜が無いため、建物の揺れ等によるシーリング上での塗膜割れの心配はありません。
しかし、紫外線や雨風に直接さらされるため劣化が早くなるデメリットがあります。
このデメリットを補うにはシーリング材の選定が重要です。
シャインでは後打ちに「オートンイクシード」を使用しています。
オートンイクシードは「超寿命シーリング材」で耐用年数は30年と言われています。
外壁目地のメンテナンスには外壁塗装も同時に行いましょう
外壁目地のメンテナンスを行う際は足場設置費用がかかるため、同時に外壁塗装を行うことでトータルの費用を抑えることができます。
専門の業者に点検を依頼し、建物の状態に合ったメンテナンス方法を相談しましょう。
外壁の目地は、家の健康を守る上で欠かせない存在です。定期的なチェックと適切なメンテナンスで、あなたの家を長持ちさせましょう。
シャインは流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店です
有資格者による確かな診断力を武器に、お客様に最も合った提案をさせていただきます。
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外壁塗装や屋根リフォームは、初心者の方にとっては不安な事も多いだろうと思います。
シャインでは、そんなお客様の疑問や不安に寄り添えるように、具体的で丁寧な説明・対応を心掛けております。
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