ご質問
【千葉県松戸市からのご相談】
とある塗装工事会社で屋根・外壁塗装中なのですが、屋根はタスペーサーを使用する見積もりだったはずなのですが、覗けば見えるベランダ面にはタスペーサーがはいっており、その他の面には入っておらず、おかしいなと感じています。
更に、外壁はサイディングでクリヤー塗装2回塗りのはずだったのですが、明らかな塗り忘れというかムラが至る所にあり、一度しか塗っていないところがたくさんあるのでは?と思っています。
しかし、塗装会社はそれは当然で是正して直していくのが常識だといいます。
もちろん人の手が作業するわけなので多少の塗りムラが発生しても是正しながら仕上げていくのはわかりますが、それにしても異常なぐらい多いのです。
塗料メーカーにも塗り漏れ部分は2回塗りどころか一度も塗っていないと確認していただきました。
リフォームの紛争センターにて弁護士及び1級建築士の写真や経緯をお伝えしてのご相談でも手抜き工事だと断定していただきました。
その塗装会社では常識だと言って逃げられるので、より専門塗装会社の方のご意見を賜りたくお問い合わせ致しました。
お忙しいところ申し訳ございませんが、どうぞ助けていただければと思います。
お答え
千葉県松戸市のお客様、
この度は、ご相談頂きありがとうございます。
私たち、外装を専門でやってきた経験からお答えさせて頂きますと、
そういったご相談や事例は日常茶飯事の事です。
訪問販売で契約したお客様、地元の工務店に依頼したお客様、塗装専門大手に依頼したお客様など。
それぐらいの業界なので本当にお客様自身がしっかりと業者選定をされなくては防げません。
高級塗料、営業マンの好感触、会社の知名度、規模、保証年数だけでいい会社と判断しては失敗するリスク回避にはならない事を知って頂きたいと思います。
本当のお客様の声(施工後のレビュー)が集まるホームプロはまさに裏工作不可能な仕組みになっているので、
そういった明らかな技量不測の職人が担当するリスクは軽減できると思います。
それでも私たちは足りないと感じています。
なぜなら、工事したての仕上がりをキレイに見せる事は私達からしたら案外簡単な事です。
それよりも難しい業者選定の基準として、工事した後、お客様の期待値である10年15年先まで、不具合も何もなく経過してくれる品質施工を望んでいるのに、実際に経過してくれないとわからない世界だからです。
いい塗料を使えばいいわけでもなく、時にはいいと思っていた大手塗料メーカーの塗料が粗悪品だった事が後で発覚したりする事もあります。
だからこそ、弊社は真面目に定期点検のサービスを実施させて頂き、経過状況も把握しております。
ところが、塗装して数年がたった後の満足度のレビューが判る仕組みは世の中にないので、
お客様からしたら判断のしようがないのも現実です。
※弊社は定期点検の経過報告もホームページ上で行っておりますが近年は掲載不可のお客様も多くいらっしゃるので、全てを公開できないのは残念です。
本当にお客様からしたら判断が難しい業界だと弊社自身も常々感じております。
さて、前置きが長くなりましたが、
ご相談の件を一つ一つご回答申し上げます。
1:タスペーサーの件について
これは、明らかな手抜きで、お客様の目線から見える部分はタスペーサーを入れて足場に上がらないと見えない部分は入れないで手間を省いています。
タスペーサーは後から入れても効果はある物なので、やってもらうように誘導するしかないです。
全面に定位置に入れてもらわないと塗料による接着効果で毛細管現象を引き起こし雨漏りの原因にもなってしまいます。
※ノンアススレート屋根材で割れやすい屋根材の場合は入れない方が良い場合もあるので、その際は、昔からある手工具による重なり部分の縁切りの実施が必要です。
2:外壁サイディングのクリアーについて
確かにクリアーは2回塗りが既定の塗り回数のメーカーは多くあります。
まともな腕がある職人が塗った場合、例え1回塗りでもお客様に塗り忘れが見つかるような塗り残しは、ありえません。
それを2回も繰り返すわけですから、お客様目線で塗り忘れが発覚する時点で職人の腕の問題だと思います。
年数を積んでようが、一級技能士を持っていようが気持ちが入った職人が施工しなかったら当然そうなります。
誤解があるといけないので補足として、通常は刷毛とローラーで施工するのですが、ローラーが入らない部分に刷毛を使用するので、その場合の四隅の塗り残しだった場合は、後から刷毛で塗装していく事もあるので施工に問題はないのですが、今回の感じからするとそうではなさそうですね。
出来れば職人を変え、もう1回塗り増やしてもらう事が出来るならその方が良いと思います。
最後に、
お客様や一級建築士が気づいていない、他の部分での必要工程の省略が多々あるような気がします。
良くやられるのが、
屋根の下塗りの省略です➔数年後から剥離が始まります。
サイディングの目地シーリングの打ち替え時のプライマー省略➔数年後に界面剥離を起こし漏水の原因になります。
一級建築士では、塗装の基礎はご存知ですが、知識の専門性という部分に関しては不足が多いので、
弊社の意見はもちろん参考になさっていただいて構いませんが、法的に言うと部外者になってしまうので、消費者センターが専門家を派遣してくれるなら、住宅塗装の専門家に見てもらうと法的な根拠としては有効かもしれません。
どうしてもご心配であれば千葉県松戸市はお近くなので、診断にお伺いさせて頂くことも可能です。
シャインの外壁・屋根のプロがしっかり判断する「屋根診断」をご覧ください。
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