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『塗れない屋根がある』ということ、ご存知ですか?

2023.03.17 (Fri) 更新

塗装できない屋根

みなさんこんにちは!

流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店のシャインです!

本日のテーマは【塗れない屋根】についてです!

世の中には「塗れない屋根」がある

一般的に屋根のメンテナンスとして、屋根塗装での施工を想像する方は多いと思います。

そして、「外壁・屋根塗装」と言うくらいだし、メンテナンスの時には屋根と外壁を一緒に塗るのが普通でしょ?

と多くの方は思うかもしれません。

しかし、中には塗装ができない屋根材もあることをご存知でしょうか?

一般的な木造住宅で最も多く使用されている屋根材といえば『スレート屋根』ですが、

そのスレート屋根の中でも、塗装できない、または塗装に不向きなものがあるので、それぞれに合った施工をする必要があります。

また、「お宅の屋根は塗装が出来ない屋根です」と言われた方は、本当にご自宅の屋根がそうなのかしっかりと確認することが大切です。

よって今回は、「塗装が出来ない・おすすめしないスレート屋根材」を症状別に紹介していきます。

塗装出来ない・おすすめしないスレート屋根材4選

1.パミール

パミール屋根

ニチハの製品であるパミールという屋根材は、薄いスレートを何層にも重ね、高温で圧縮する手法で作られた屋根材です。

経年劣化によってミルフィーユのように層が剥がれてしまう「層間剥離」という現象が起こるので、その上にいくら塗装をしたとしても、表層と一緒に塗膜が剝がれてしまいます。

パミール屋根の層間剝離 パミール屋根の層間剝離

写真はパミール屋根に塗装後、2年経過した写真です。

塗膜と一緒に表層が剥がれており、せっかく塗装した意味がまるでありません…さらにこの状態では雨漏りの心配も出てきます。

工事費用が無駄にかかってしまうだけですので、絶対に塗装してはいけません!

2.コロニアルNEO

コロニアルNEOは、クボタ(現ケイミュー)の製品で、現在最も普及している屋根材「カラーベストシリーズ」の商品です。

アスベストが含有されたものは耐久性が高く優秀な屋根材でしたが、アスベストの規制後に販売されたノンアスベストコロニアルNEOは、劣化が早く脆い屋根材となってしまいました。

主な劣化症状は、ひび割れ・欠け・変色です。

コロニアルNEOの欠け欠けの症状


コロニアルNEOの変色変色の症状

不規則なひび割れが起きた後、ひび割れによる強度の低下により大きめの欠けが全体的に生じてきます。

しかし、このような劣化が多数発覚したのちにコロニアルNEOは改良され、現在は2008年頃に発売されたコロニアルクァッドという商品が主流になっています。

弊社も現在自社で実験を行っている最中ではありますが、コロニアルNEOよりは丈夫であると考えて良いでしょう。

3.ザルフ

ザルフは、コロニアルNEOと同じメーカーのクボタ(現:ケイミュー)から発売されたスレート屋根材です。

同じメーカーということもありコロニアルNEOと姿形が非常に似ているのですが、凸凹の形に若干の違いがあります。

コロニアルNEOコロニアルNEO


ザルフザルフ

ノンアスベストのザルフは2001年末~2006年まで販売、さらに『ザルフグラッサ』という高耐候仕様商品が2001年~2005年の間に販売されていましたが、

どちらも10年を経過したあたりから、ひび割れ・欠け・脱落といった症状が発生、稀にパミールのように層間剥離も発生することがあります。

非常に傷みやすい素材の為、やはり塗装でのメンテナンスはお勧めできません…

4.セキスイかわらU

セキスイかわらU

セキスイかわらUはノンアスベスト建材の代表的な屋根材です。

1990年にアスベストを取り除いたものが販売されましたが、アスベストを取り除いた「セキスイかわらU」は、数年で表面の塗膜の剥がれひび割れや屋根材自体が露出する白化現象を起こしてしまうようになりました。

非常に脆く、高圧洗浄の高水圧によって表面が剥がれたり屋根に登るだけで簡単に割れてしまうのでメンテナンスすら出来ない…という業者も頭を抱えてしまう屋根材です。

現在は販売停止していますが、大手ハウスメーカー「積水ハウスグループ」の住宅で長く使われていた商品のため、

販売後全国50万棟もの住宅に採用されたことにより、現在もこの屋根によって悩みを抱えているお客様は多数いらっしゃいます。

なぜ塗装できないのか

ポイントは『ノンアスベスト』

ノンアスベスト屋根のひび割れ

従来のスレート屋根材は、セメントにアスベストを含ませて強度を高めていました

しかし2000年以降、アスベストの健康被害による問題を受けアスベストが禁止となったため、アスベストを使用しない『ノンアスベストのスレート屋根材』が販売されるようになりました。

ところが、そのほとんどが今は販売を停止しています。

この結果からも分かる通り、初期のノンアスベスト商品は非常に不具合だらけの屋根材だったのです。

過去に販売実績もないため、経年劣化などの試験が十分に検証が行われていなかったこともあり、短い場合は数年でクラック割れが発生したりという事象が起きていました。

初期のノンアスベストの屋根材は、歩くだけで割れてしまうほど脆く、補修して塗装してもまた他の場所からどんどん新たな割れが発生するため、塗装をする意味がありません。

 

『割れているノンアスベストでも、補修すれば塗装できます!』と塗装を促してくる会社もあるようですが…シャインではお勧めしていません。

数年は持つかもしれませんが、どのみち近い将来「葺き替え」か「カバー工法」が必要になるでしょう。

それなら、はじめから『カバー工法』や『葺き替え』を施した方が、無駄な費用を省けます。

!注意!

屋根塗装に保証が付いていたとしても、それが「塗膜保証」の場合、スレート屋根材の割れなどの症状には適用されませんので、保証内容にご注意ください!

塗れるノンアスベスト屋根材もある!?

アスベストの規制後に登場したノンアスベスト屋根材を先ほど紹介しましたが、その中で後に改良されたノンアスベスト屋根材があります。

それが『コロニアルNEO』の改良品、『コロニアルクァッド』です。

コロニアルクァッド

劣化が多数発覚したことを受けて改良を進め2008年頃に発売された商品で、現在はこちらが主流となっています。

実際に現場を見ていても、改良されたコロニアルクァッドは強く丈夫で不具合も少ないので、弊社では改良版の『コロニアルクァッド』は、塗装可能な屋根であるという見解を持っています…!

コロニアルクァッドの強度

しかし、注意したいのは

「新築時の施工書の屋根材」「実際の屋根材」本当に同じものなのか?という点です。

実際、現場を見ていると施工書と実物が違うという事があったりします。特に2008年前後の改良品に切り替えた時期に新築したお住まいは、施工書の情報のみで判断するのは少し危険です。

自己判断によって、誤った仕様で塗装してしまうと後々取り返しのつかないことになってしまいます

また、屋根材の種類や劣化の具合によって適切なメンテナンス時期は異なりますので、お客様のみの判断ではなく、最終的にはプロの判断に任せるのが失敗しない一番の近道です。

ノンアスベストでなくても要注意!塗装出来ない屋根の劣化症状

1.古い塗装が剥がれてしまった屋根(塗膜剝離)

塗装が剝がれてしまった屋根

塗料は塗装の際に凹凸のある目に入り込んでしまうので、完全に除去させることはほぼ不可能に近いです。

古い塗膜を剝がさずに固めて再塗装する方法もあるのですが、本来の耐用年数が発揮できない上に、数年で再度塗膜が剥がれてくる可能性もあります。

この場合は、屋根の「葺き替え」か「カバー工法」で施工した方が、余計な費用がかからないのでお勧めです。

2.誤った屋根補修工事を施された屋根

誤った屋根補修工事を施された屋根

画像は、悪質な塗装業者に雨漏り補修を依頼してしまったお客様の事例です。

雨漏りしている周辺の屋根の隙間をコーキング剤で埋めているのですが、これは普通の業者では絶対にやらない施工です。なぜなら、

通常、スレートの隙間は絶対に塞いではいけないからです。

スレート屋根隙間を塞ぐとスレート屋根隙間を塞ぐと

雨が降った時、雨水は構造上屋根材の下に入り込みます。この隙間があることでそこから水を排出できるため、雨漏りを防ぐことができます。

さらに隙間がないと屋根裏で内部結露した水分が溜まり、中の木材が腐ってしまいます。

なので、この隙間は塗料やシーリングで絶対に塞いではいけません…!※「毛細管現象」など、屋根に水が入る要素は他にもあります。

このような施工の失敗などで、下地が腐食している場合はこの上から塗装は絶対ダメです。葺き替えで施工しましょう。

塗装ができるスレート屋根材もある

先ほどとは反対に、スレート屋根材でもコケカビが生えているだけの症状の屋根は塗り替えが可能です!

塗装できる状態の屋根

その代わり、下塗り剤はきちんと厳選する必要があります。

また、コケが生えているときは劣化が激しい場合もありますので、現地調査の際に上を歩くだけで屋根材が割れてしまうくらい劣化してしまっている場合は、塗替えでの対応はできません。

塗れない屋根に塗装してしまうと…

施工例1

塗装できない屋根の施工失敗例

画像は、ノンアスベストのスレート瓦を塗装し、十数年経過している状態です。

割れが多く、さらに割れた部分から水分を吸水して傷んでしまっていました。

施工例2

塗装できない屋根の施工失敗例

こちらの画像はパミール屋根に塗装をした状態です。

塗装してたった3年ですが、パミールの表層から剥がれが発生しています。せっかく塗料はしっかりと密着しているのに、これでは塗装の意味がありません…

塗装できない屋根の対処法

では、このような塗装できない屋根はどう対処をすればいいのでしょうか?

シャインでは、ノンアスベスト屋根は1度目の塗り替え時期金属屋根での「カバー工法」または「葺き替え」のご提案をしています。

メンテナンス頻度が圧倒的に下がるので、長期的に見て節約にもなります。

金属屋根にはディプロマットガルテクトなどの種類があり、価格や用途に合わせてお選びいただけます。

ディプロマット、ガルテクトそれぞれの詳しい記事および施工事例はこちらをご覧ください!▽

ディプロマットスター

驚異の30年保証!D’sルーフィング ディプロマットスター

ディプロマットスター

ディプロマットスター施工事例

ディプロマットスター施工事例柏市F様邸柏市F様邸 カラー:オニキス


ディプロマットスター施工事例流山市K様邸流山市K様邸 カラー:エバーグリーン


ディプロマットスター施工事例野田市M様邸野田市M様邸 カラー:カフェ

ガルテクト

進化した次世代の屋根材!アイジールーフ スーパーガルテクト

スーパーガルテクト

スーパーガルテクト施工事例

スーパーガルテクト施工事例流山市M様邸流山市M様 カラー:ジェイドブラウン


スーパーガルテクト施工事例野田市S様邸野田市S様 カラー:ジェイドブラウン

塗り替えで対応できる場合

これからご紹介する屋根は、塗り替えで対応できる場合もあるものになります。

モニエル瓦

モニエル瓦

モニエル瓦には「モニエル瓦専用塗料」が存在するので、塗装での施工が可能です。

専用塗料ではない塗料を使ってしまうと、早期劣化や施工不良の原因にもなりかねないので、塗料には注意が必要です。

因みに、モニエル瓦と似ている瓦でプレスセメント瓦というものがありますが、施工方法は全く違います。

プレスセメント瓦【プレスセメント瓦】 切断面がツルツルしている


モニエル瓦【モニエル瓦】 切断面がデコボコしている

モニエル瓦がプレスセメント瓦の仕様で塗られていたり、プレスセメント瓦がモニエル瓦の仕様で塗られているのを見かけるので、こちらも必ず見分けられる塗装会社を選んでください。

トタン屋根

トタン屋根

錆が酷い場合は、交換や補修を行ってから塗り替え可能です。こちらも適切な塗料を選ぶことが大切です。

最後に

屋根は直接見る機会があまり無い為、劣化に気がつきにくい箇所です。

しかし、メンテナンスをしないまま年数が経つと、劣化箇所が増え補修費用もかさみます。

塗装の剝がれだけでなく、雨漏りや、台風などで板金が飛んでしまい事故に繋がるリスクも出てきます。

屋根板金の釘抜け屋根板金の釘抜け


塗装の剥がれ塗装の剥がれ


表層の剥がれ表層の剥がれ

ですが、自分で屋根に上ることは危険な上、屋根をさらに傷めてしまいかねないので、必ず専門の業者に依頼するようにしてください。

『塗装できるか・できないか』は見分け方が非常に難しい場合も多く、数々の症例を見てきた屋根診断のプロでないと分からない事も多くあります。

弊社は塗装だけでなく屋根リフォームも取り扱っておりますので、屋根塗装にするか屋根リフォームにするかお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

お客様の屋根の状態に合った内容を総合的に判断し、最も適切な方法を自信を持ってご提案させて頂きます。

シャインは流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店です

有資格者による確かな診断力を武器に、お客様に最も合った提案をさせていただきます。

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