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屋根カバー工法と屋根修理の違いを徹底比較!どちらを選ぶべきか?メリット・デメリットなどを解説

2025.03.08 (Sat) 更新

みなさんこんにちは!

流山市・柏市の屋根リフォーム・雨漏り専門店のシャインです!

ここ数日で謎の寒波が日本を襲ってきていますね( ;∀;) 雨…かと思ったら雪?!みたいな日はあとどれくらい続くのでしょうか…

大人になってしまうともう雪を見ても出勤時の心配しか感じなくなってしまい、少し寂しい気持ちです…

さて、本日のテーマは【カバー工法と葺き替え工法の比較についてです!

我が家は屋根カバーと屋根葺き替えどっちがおすすめなんだろう…?

屋根全体のリフォームをする際、一般的には【屋根カバー工法】【屋根葺き替え工法】のどちらかを選択することが多いです。

屋根カバー工法と屋根葺き替え工法の違いを一言で説明すると、以下の通りです。

・屋根カバー工法:今の屋根の上から新しい屋根を被せる
・屋根葺き替え工法:今の屋根と新しい屋根を交換する

これだけ見ると、一見「今の屋根を捨てるか取っておくか」の違いだけのように感じますが、カバー工法と葺き替え工法には他にも様々な細かい違いがあり、それぞれ適用できる屋根の条件も異なります。

どちらも塗装よりも大幅に施工費用がかかるため、必ずきちんと自分の家に合った選択をしたいですよね。

今回は、「我が家の屋根のリフォームではどちらがオススメなんだろう…?」とお悩みの方に向けて、2つの工法の違いを様々な視点から比較していきます。

メリット・デメリットやそれぞれの工法のおすすめのケースなども紹介していくので、ぜひご覧ください!▽

屋根カバー工法とは

屋根カバー工法とは、既存の屋根材をそのまま残した状態で上から新しい防水シート(ルーフィング)で覆い、さらに新しい屋根材を被せるという施工方法です。

スレート屋根の上から軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板)を被せるカバー工法が一般的ですが、アスファルトシングルや軽量瓦などの軽い屋根材を被せることもあります。

差し込み葺きとの違い

近年、カバー工法という名目で「差し込み葺き」という施工を行っている業者を見かけます。

差し込み葺きとは、コの字型のガルバリウム鋼板をスレートの隙間に差し込んで接着剤で固定する施工方法で、カバー工法よりも安価で工期が短い施工方法です。

しかし、スレートをガルバリウム鋼板で覆っているだけの状態なので、屋根材そのものは保護出来てもスレートの隙間から入り込んだ雨水には何の効果もありません。

また、屋根材の防水性を向上させるためには防水シートの交換が必須ですが、この施工方法は防水シートの交換を行わないため、防水性の改善にも効果を発しません。

本来は部分補修として行うことが一般的であるため、差し込み葺きをカバー工法として提案してくる業者がいたら警戒するようにしましょう。

葺き替え工法とは

屋根葺き替え工法とは、既存の屋根材・ルーフィングを撤去して下地材(野地板)を補強したのち、上から新しいルーフィング・屋根材を設置していく施工方法です。

野地板は状態が良好な場合はそのまま使用することもありますが、基本的には「増し張り」といって新しい下地材を上から張り付けて補強します。

屋根を下地材から丸ごと交換する、と考えるとイメージしやすいかと思います。

カバー工法と違って既存屋根を撤去してしまうため処分費や撤去する工程がかかり、費用は高く、工期は長くなるのが特徴です。

葺き替えと葺き直しの違い

「葺き直し」とは、葺き替え工法の施工手順のまま、屋根材は既存のものを再利用するという施工方法です。

屋根材自体の寿命が長い陶器瓦などで採用されることが多く、既存の屋根材は活かしたまま屋根全体の耐久性を向上させることが可能な施工方法として人気です。

屋根材の撤去費用がかからないため葺き替え工法よりも費用を抑えられますが、既存の屋根材を仮置きする手間がかかるため、大幅に安くなるというわけではありません。

屋根カバー工法と屋根葺き替え工法のメリットとデメリット

屋根カバー工法、屋根葺き替え工法それぞれのメリット・デメリットは以下になります。

カバー工法 葺き替え工法
メリット

・費用が安い

・埃や騒音が出ない

・工期が短い

断熱材・遮音性が上がる

下地材の補修が可能

・どんな屋根材でも施工できる

耐震性、耐久性が向上する

デメリット

・下地の劣化が激しい場合は施工できない

野地板のメンテナンスが出来ない

・どんな屋根にも施工できるわけではない

・屋根が重くなる

・工事金額が高い

・埃や騒音が出る

・工期が長い

アスベスト含有屋根はさらに施工費用が高額になる

・施工中に雨が降ると雨漏りのリスクがある

カバー工法は費用が安い代わりに施工可能な屋根材が限られたり下地材の耐久性に懸念が残り、

葺き替え工法は耐久性は抜群ですがその代わり施工費用がかなり高額で、アスベスト屋根は知識の無い業者が施工した場合アスベスト飛散のリスクなどもあります。

以下から、ポイントごとに細かく分けて解説していきます!

様々なポイントから比較してみよう

施工金額で比較

カバー工法:80~150万円
葺き替え工法:100~200万円

施工費用に関しては、カバー工法の方が既存屋根材の撤去処分費用が無いため安くなります。

撤去処分費用は30坪の平均的な住宅の場合、平米単価は約3,000円前後で、約20~30万円近い金額がプラスになります。

これは既存屋根材の種類によって異なり、トタン屋根の場合はもう少し安く、瓦屋根の場合はもう少し高くなります。

さらに、アスベストを含有している屋根材の場合は、プラスで1㎡につき2,000円~4,000円近く加算されますので、また費用がグッと上がります。

そして、カバー工法・葺き替え工法共に費用は使用する部材のグレードによっても変動します。

金属屋根材はもちろん、例えば屋根材を固定する際に鉄釘を使うかステンレスビスを使うかによっても、リフォーム費用は大きく変わります。またルーフィングも様々なグレードがあり、高グレードのルーフィングを採用すればその分費用も上がります。

カバー工法の方が安価であることは確かですが、品質を求めるか、安さを求めるかで費用は大きく変わるということを理解しておきましょう。

対応できる屋根材で比較

カバー工法:瓦屋根への施工は不可
葺き替え工法:特になし

波立っているデザインの瓦屋根にカバー工法は出来ません。

このような形状の瓦屋根は日本に古くから伝わる陶器瓦などに多く見られますが、表面がデコボコしており固定力が不安定になるため、カバー工法には不向きです。

また、瓦屋根は屋根材の中でも特に重いため、今後の耐久性を考慮すると上から被せるカバー工法ではなく葺き替え工法や葺き直しが推奨されます。

葺き替え工法では既存屋根は解体撤去してしまうため、施工する屋根材に特に規制はありません。

施工手順で比較(工期)

カバー工法:7~10日
葺き替え工法:12~20日

カバー工法と葺き替え工法それぞれの工程は以下になります。

【カバー工法】

【葺き替え工法】

葺き替え工法では、既存屋根の撤去処分作業と野地板(下地材)の補強工事が加わるため、カバー工法よりも2~3日分工期が延びます。

さらに、天候の状態や屋根の劣化状況などを考慮すると、カバー工法では7~10日、葺き替え工法では12~20日が平均的な施工期間と考えられます。

近所への影響で比較

カバー工法:埃や騒音が少ない
葺き替え工法:廃材が沢山出るため埃や塵が発生しやすく、騒音問題なども

葺き替え工法では、既存屋根を撤去する際にどうしても埃や塵が周囲に飛散してしまったり、屋根を剝がす際の大きな音トラブルの原因になることがあります。

主に影響を受けるのは近隣の建物で、住居への被害だけでなく車や洗濯物に対しても被害が及ぶこともあります。

カバー工法でももちろん埃や塵が飛散したり騒音が発生する作業過程はありますが、主に屋根の解体作業の際に多く発生するため、葺き替え工法の方がより近隣住民への配慮が必要になります。

近隣トラブルの防止策とは?

粉塵・騒音トラブルを防止するには、まず施工前に必ず近隣住宅への挨拶と説明を行うことが重要です。

シャインでは、着工前に以下のような挨拶文をお配りしています。▽

挨拶では解体作業中に埃や塵が飛散してしまうことや、騒音や交通規制などでご迷惑をお掛けすることを説明し、理解と協力を求めることが目的です。

基本的に依頼した業者が挨拶周りをしてくれることが多いですが、依頼する際には必ず確認しておきましょう。

施工中の注意点としては、養生シートの設置は必須です。

養生シートで囲むことによって周囲への飛散をある程度抑えるだけでなく、多少の防音効果も発揮します。

また、建物だけでなく車専用の養生シートもあるため、近所に車が駐車している場合は所有者に許可を取った上で車に設置することもあります。

既存屋根の撤去作業中には、引き抜いた釘や屋根材の破片など周囲を傷付ける危険性のあるものが飛散する場合もあるため、防飛ネットを設置することもあります。

アスベスト含有屋根材の場合はアスベスト飛散の可能性も

健康被害をもたらすとして建材への利用が禁止となった「アスベスト」を含んでいる屋根材は、2000年代初期まで流通していたため現在もそのまま使用している住宅も数多く存在します。

そのようなアスベスト含有の屋根材を葺き替え工法で撤去する場合は、埃や塵以外にも、アスベストの飛散にも注意しなくてはいけません。

アスベストが含まれている場合は最初にアスベストの除去作業を行ってから解体していきますが、もし業者がアスベストが含まれていると気づかずにそのまま作業を進めてしまった場合、粉塵と一緒にアスベストが飛散してしまいますので、依頼する業者の選別も重要になります。

このアスベストの除去作業は非常に高額なため、費用を抑えるために葺き替え工法ではなくカバー工法を選択する方も多くいらっしゃいます。

しかし現在アスベスト含有屋根材の廃材処分費は高騰し続けており、今後も右肩上がりで上がっていくことが予想されています。

強靭なアスベスト屋根もいずれかはボロボロになって、新しい屋根材と取り換える(=葺き替えを行う)ときが来るのは明白です。それならば、価格が高騰する前に葺き替え工法を行ってしまうのも選択肢の一つであると考えます。

耐震性で比較

カバー工法:二重になるため耐震性は下がる
葺き替え工法:屋根が軽くなるため耐震性は向上する

カバー工法で施工すると、屋根の重さは既存屋根+新しい屋根で計2枚分になります。

屋根が二重になっても実際は建物に特に大きな影響は無いと言われていますが、建物の耐震性は全体の重量に比例しているため、同じ壁量に対して重い屋根よりも軽い屋根の方が耐震性が高くなるというのは事実です。

また、耐震基準を満たしていないような古い建物、壁量が不十分な建物、壁や柱の配置がアンバランスな建物などでカバー工法を行うのは危険です。

耐震基準は昭和56年(1981年)6月1日より新しく改正されていますので、もしカバー工法を検討している場合は自分の家の築年数を調べてみて、新耐震基準以前に建てられている家であれば、築年数のことも含めて業者に相談するようにしましょう。

一方、葺き替え工法では新しく軽い屋根材と交換するため建物全体の重量が小さくなり、耐震性の向上が期待できます。

カバー工法・葺き替え工法共に新しく設置する屋根材は金属屋根(ガルバリウム鋼板)が一般的ですが、他にもアスファルトシングルや軽量瓦などの軽い屋根材が採用されることもあります。

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耐久性で比較

カバー工法:野地板を使い続けるため20年程度でメンテナンスが必要
葺き替え工法:野地板も交換することでほぼ新築同様の耐久性となる

屋根材に同じ金属屋根(ガルバリウム鋼板)を使用していた場合、全体の耐久性は最終的に野地板の寿命によって異なります。

カバー工法では、野地板は既存のものを使い続けます。一方、葺き替え工法では古い野地板の上から新しい野地板を張り付ける「増し張り」という補修を行うため、野地板は新築に近い状態となります。

何もしないで使い続けている野地板と一旦補修を挟んだ野地板では、後者の方が長持ちするのは当たり前なのです。

カバー工法でそのまま使い続けた野地板は、15~20年程度で寿命を迎え、雨漏りが発生したり屋根が剝がれやすくなってしまいます。

この時にまた補修をしなくてはならないのですが、一度カバー工法を行っている屋根に2回目のカバー工法はできないため、必然的に葺き替え工法を選択することになるということを頭に入れておきましょう。

施工可能条件で比較(野地板の状態)

カバー工法:下地材が傷んでいる場合は施工不可
葺き替え工法:下地材が傷んでいても補修を行うため、特になし

カバー工法と葺き替え工法の大きな違いは「野地板(下地材)のメンテナンスを行うかどうか」という点です。

先述したように、カバー工法では野地板は既存のものを使い続けるためメンテナンスは行いません。よって、元々野地板が劣化している場合はそもそもカバー工法を行うことが出来ないのです。

これは、カバー工法では既存の野地板に新しい屋根材を固定するからであり、雨漏りや腐食が進んでしまっていると一定の強度での固定力を確保できないため、カバー工法ではなく野地板もしっかりと補修出来る葺き替え工法での施工となります。

工事する目安・タイミングで比較

カバー工法:築10年~20年が最も適している
葺き替え工法:既存屋根材の種類による

築10年~20年は、ちょうど様々な屋根材に経年劣化が発生してくるタイミングです。あまり遅すぎると先に野地板の劣化が始まってしまうため、カバー工法を長持ちさせるためにはこの時期がオススメです。

葺き替え工法の工事目安は既存屋根材の種類、そしてその屋根材の寿命によって異なります。

例えば、スレート屋根の場合は寿命が30年前後と言われているため、それより少し前に工事を行うのがおすすめです。

長持ちする陶器瓦の寿命は40~45年頃、アスファルトシングルは20~30年と言われており、寿命よりも少し前の時期が最も工事に適しているタイミングであると考えられます。

カバー工法がおすすめのケース

費用を安く済ませたい

先述したように、葺き替え工法では屋根材の撤去や廃材処分だけで20~30万費用が加算されます。

カバー工法自体100万円前後かかる工事であり、決して安い工事ではありません。ここに何十万の追加費用となると、どうしても渋ってしまう方も多いのではないでしょうか。

もし、築年数が10~20年の住宅で、なるべく施工費用を抑えたい!でも耐久性を考慮したメンテナンスがしたい…!という方は、カバー工法がおすすめです。

しかし、築20~30年が経過している場合は、野地板(下地材)が劣化している可能性が高くなってくるため注意が必要です。

野地板が既に劣化している状態でカバー工法を行うと、傷んできている野地板に釘やビスで新しい屋根材を固定するため更に負荷をかけることになり、わずか数年程度で急激に状態が悪くなってしまうこともあります。

一度カバー工法を行った屋根はまたカバー工法をすることはできません。よって、安く済ませようとしたのに短期間でカバー工法と葺き替え工法を行う羽目になってしまい、高額な施工費用を二度も払う可能性もあります。

専門業者の点検で下地材が劣化しているという診断を受けた場合は、先のことを見据えて葺き替え工法を選択しましょう。

近いうちに引っ越しや取り壊す予定がある

カバー工法では野地板を交換しないため、この先も何十年と住み続ける場合は、いずれ劣化するであろう野地板を結局交換しなくてはいけなくなります。

しかし、今後10~15年以内に住み替えなどで家を売る予定や取り壊す予定がある場合は、その期間内にまたリフォームを行う可能性は極めて低いため、カバー工法でも問題ありません。

何度も言うようですが、一度カバー工法を行った屋根を2回目にメンテナンスする際は必然的に葺き替え工法となるため、”2回目が存在しない”ケースの方が、結果的にはお得なのです。

築40年未満のアスベスト含有スレートである

葺き替え工法がおすすめのケース

ラバーロック工法で施工されている瓦屋根

「ラバーロック工法」とは、飛び込み業者などの悪徳業者がよく行う施工方法で、全ての瓦の四辺をコーキングでがっちりと固定する方法です。

地震の際などに瓦のズレや落下防止になる、などと言われますが、日常的な風に耐える程度で実は耐震性にはほとんど効果がありません。むしろ、瓦の周りを全てコーキングで埋めてしまうため雨水や湿気を排出できなくなり、内部腐食や雨漏りなどの不具合を引き起こします。

万が一ラバーロック工法で施工されてしまい雨漏りなどが発生してしまった場合は、全てのコーキングを剥がすよりも葺き替え工法の方が安く済むため、葺き替え工法で屋根材ごと交換するようにしましょう。

瓦屋根

瓦屋根は葺き替え工法がおすすめというよりは、「カバー工法が出来ない屋根材」です。

先述したように波型の瓦屋根は固定力が安定しないためカバー工法には不向きであり、平型であっても瓦屋根自体に重さがあるため、屋根が二重になるカバー工法はあまりおすすめ出来ません。

野地板が傷んでいる・すでに雨漏りしている

既に雨漏りが発生して野地板の腐食が始まっている場合、野地板を再利用することは不可能なので補修が必須となります。つまり、葺き替え工法でなければならない、というケースです。

傷みが進行している野地板

野地板の補修では、上から新しい板を張り付ける増し張り工法が一般的で、野地板を剝がすことは滅多にありません。これは野地板を剥がす過程で、野地板が貼られている垂木(たるき)という骨組みを傷めてしまう可能性があるからです。

しかし、かなり長い期間野地板の腐食を放置していると稀に垂木にまで腐食が進んでいることがあり、このような場合は垂木を補修するために野地板を剥がす必要があります。

築年数が古い

築年数が古い建物は、全体的に老朽化が進んでいるため屋根材だけでなく防水シートや野地板も劣化している可能性が極めて高いです。

また耐震性がしっかりしていない建物も多く、中には昭和56年改正の新耐震基準を満たしていない場合もあるため、屋根の重さが2倍になるカバー工法では危険性が高く、葺き替え工法が推奨されています。

今後も長く住み続ける予定である

葺き替え工法では野地板のメンテナンスまでしっかりと行うため、見た目だけでなく内部の耐久性もほぼ新築同様の仕上がりとなります。

今後20〜30年以上同じ家で住み続ける予定がある方は、一度葺き替え工法を行ってしまえばその後大規模なリフォームは行う必要が無くなるため、コストパフォーマンスの面でも非常におすすめです。

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